長年引っ越しに携われば、同じ部屋の引っ越しを複数回行う事も稀ではありません。一度退去の引っ越しを行った部屋に次の方が入居する引っ越しを行ったり、数年後の同じ部屋から退去する引っ越しを行うケースも多々ある訳です。数年経てば部屋もそれなりに劣化していく姿が感じられます。でも初めから非常に古い共同便所のアパートはやはり段々消滅してしまう運命なのは当然の事です。この様な古いアパートは収入の無い高齢者ばっかりのイメージで中々退去しないばかりでなく空室が埋まり難い傾向も当然かと思います。
 今や苦学生という言葉も死語かもしれませんが、学生さんでもエアコン付きでユニットバスも付いた部屋に住むのが当たり前の時代なのに、未だ共同便所の風呂無しのアパートで暮らしていた学生さんの引っ越し依頼も少ないですがいらっしゃいます。こういうアパート自体の数が減っていますので少ないのですが、若い頃から勉学とアルバイトを両立させた生活を行っていた若者にはとても敬意を感じます。昔の馬場沿いのアパートで暮らしていた早稲田の夜学の学生などは実に質素な生活だったのが荷物の量で実感できます。冷蔵庫も洗濯機もエアコンも無い生活を続けていた光景は苦労が実に感じられます。
 話は代わってある時お得意様の会社から引っ越し依頼が舞い込みました。この会社の初めての依頼は目黒区内で向かい側のビルに引っ越しをした時でした。トラックを一切使わない引っ越しで、この時は従業員も増やすようで床面積の広いビルへ移転したわけです。その後は会社の業務での配送依頼を受けるようになり、すっかりお得意様の会社になりました。その中には新築マンションに荷物を届ける依頼もありましたが、この間に社長夫妻の自宅を新築マンションに引っ越していたのがわかりました。(この引っ越しは大手に頼んだようですが!)そして10年以上の月日が経ち、今回の引っ越し依頼に至ったのです。この時の依頼の数か月前には古いOA機器を産廃業者に届ける配送を数回行っていました。そして今回の引っ越し依頼はナント軽トラック1台分の物量しかありませんでした。とても事務所の引っ越しとは思えない量です。トラックに荷物を積んで目的地に着いてビックリしました。このアパートは以前に東工大の苦学生が暮らしていた4.5帖で風呂無し共同便所の和室一間の部屋だったのです。部屋番号も1号室で1階の入り口横で以前の引っ越しと同じ部屋でした。この部屋に事務デスク一式や電話、パソコンを置いてキャビネットを入れれば一人で電話番やパソコンの事務作業を行うには十分な広さでした。しかしここまで家賃を抑えた部屋に驚愕したのは事実です。右肩上がりの業績の時代を知っているだけにコピー機も置けないような極貧アパートが事務所になったしまった会社には今後の未来は感じられません。事実この引っ越しを行ってからはこの会社からの法人様の一般貨物輸送依頼は一回もありません。事業の衰退は実に悲しいものですね。今はもう年金生活なのでしょうか?その後は知らない方が良さそうかもしれません。

DSCF6024
 おとめ山公園には傾斜地ですが結構広い芝生地帯があります。ただ炎天下では木陰の方が嬉しいでしが!