引っ越し最中に荷物が破損する場合は件数が多ければそれなりの確率で発生してしまいます。必ず原因はありますが必ずしも業者の責任とは限りません。かといってお客様に負担させるのも忍びないので、貨物保険で補えそうな場合は保険金請求します。しかしながら保険会社も採算が合わなくなってしまった様で、現在は免責金額が設定されてしまい、10000円以下は全額自己負担です。
 単に不注意で破損した場合は簡単に保険金請求できるのですが、過去に何もしていないのに硝子戸の書棚が転倒して硝子戸が全損してしまった事があります。書棚が転倒する事など通常では考えられない事です。特に何かしたわけでもありません。何もせずにいきなり倒れてきたのです。お客様は荷造りが少々遅れ気味で部屋からの搬出中にこの硝子戸の書棚の本を箱詰めしていました。箱詰めを終了して、硝子戸を閉めないまま放置していただけなのです。そして段ボール箱の搬出中にその硝子戸の書棚がいきなり前面に倒れたのでした。強化ガラスの硝子戸は大きなヒビが入りました。倒れた理由は見ていてすぐにわかりました。この書棚は硝子戸を見ると高そうに見えるのですが、本体は実にチープな軽い材料で出来ているものでした。ほぼカラーボックスに近いものです。しかし強化ガラスの硝子戸は実に重たくて高級に見えるのです。要するに本箱に本が入っていれば重量的には安定するのですが、中身を空にすると硝子戸側が圧倒的に重くなってしまうのです。そして硝子戸が開いた状態で中身が空だと硝子戸の重さで自然に倒れるアンバランスな典型的な欠陥家具なのでした。おまけに上下2段重ねの構造で、上と下をねじ止めするような仕組みもない安物なのでした。しかし当時は貨物保険の免責はありませんでしたので、保険金請求をして硝子のみをガラス店に発注して2日後に届けました。ガラスを直接金具で挟む構造でしたのですぐに取り付けてみましたが、なんと取り付けている最中に金属金具の取り付ける圧力で再度ヒビが入ってしまいました。非常に面倒でしたが、再度ガラス店へ行き同じサイズの強化ガラスを発注し直しました。1週間ほどで出来上がって、再度お客様の新居へ行きました。少々前のガラスとは色が違いますが、何とか取り付けられました。保険金はガラス2枚分を1枚の価格として請求しましたが、無事に保険金は入金されました。その本箱は絶対に中身が空状態では使わないように注意しました。地震などでも非常に危ないので転倒防止装置も付けた方が賢明です。見てくれだけ高級そうに見えて実際は安物の家具には注意いたしましょう。

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 早稲田通り沿いの阿佐ヶ谷北にあるお地蔵さん。早稲田通りが整備される前からあります。